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早漏治療

早漏治療

早漏治療は新薬プリリジー(一般名:ダポキセチン)により内服による薬物治療が主流になりました。

早漏とは

早漏

早漏とは、男性の身体に起こる性機能障害のひとつです。日本における早漏症に該当する患者は500万人を超えており、ED(勃起不全)の患者の約1/3は早漏症を併発していると言われています。
早漏の症状とは、性行為を行う際に毎回、もしくは高い頻度で女性器へ男性器を挿入する前に射精してしまう状態や、男性器を挿入した後、およそ2分以内に射精してしまうなどの状態を指します。
性行為の際にパートナーが満足する前に射精してしまうことも早漏症と言えるでしょう。早漏になることでご自身で思い通りに射精をコントロールできないストレスや、パートナーとの性行為がうまくいかないことにより、性行為に関する関心を失ってしまったり、パートナーとの関係にひびが入ってしまうようなことも考えられます。

早漏の原因

以前は包茎が早漏の原因だと言われていましたが、統計上、包茎手術後も早漏が改善しないことが判明しています。そして早漏でお悩みの方の多くは射精中枢におけるホルモンバランスの問題であることがわかってきました。その他、過敏であること、心因的な要因、加齢などが原因とされています。

早漏の種類

代表的な早漏の主な原因としては①~③です。
1.「心因性早漏」…精神的なストレスや不安から起こる
2.「過敏性早漏」…ペニスやその周りの感覚が敏感で、少しの刺激でも射精してしまう
3.「衰弱性早漏」…加齢により射精をコントロールする力が衰えてしまい、射精しやすくなってしまう

1.心因性早漏はパートナーとの性行為の際に過度の興奮や「早く射精してしまうかも」と不安や緊張を感じることにより、交感神経が活発になることで射精しやすくなってしまいます。また、性行為の際の失敗経験だけでなく、仕事や人間関係などのストレスや、婚姻などのパートナーとの関係性の変化によっても起こることがあり得ます。

2.過敏性早漏はペニスや周辺の皮膚の感覚が敏感であることにより、少ない刺激で射精してしまう状態です。他にも仮性包茎などにより亀頭の刺激に慣れていない方も同様のことが起こる可能性があります。勃起しやすく性欲の強い若年層の方に多い傾向があります。

3.衰弱性早漏は40代以降の男性によく見られる、加齢により男性ホルモンの分泌量が減ることで射精管閉鎖筋の筋力が弱くなってしまうため、性行為の際に射精をコントロールできなくなる症状です。

男性と女性の性行為における平均値

①日本人男性の平均値は5~9分

日本人では女性器への挿入から射精に至るまでおおよそ5~9分と言われています。

②女性がオルガズムに達するまでは約20分

「女性がオルガズムに達するまでには20分以上、脳と体に刺激が加わる必要がある」といった説があります。

③女性が満足する時間は15分~20分

日本人女性の希望する性行為時の挿入時間は15分と言われています。別の調査では「21分以上挿入してほしい」女性が56%いたと報告されています。

男性が射精に至る時間 約5~9分
女性がオルガズムに達する時間 約20分
女性が欲する挿入時間 15~21分以上

早漏の定義

早漏症にははっきりした定義がありません。
日本やアメリカ、WHOの定義は下記の通りです。WHOの見解が世界的な早漏症の共通認識といえます。
1)日本では主に①~④に一つでも該当すれば早漏症と診断します。

  1. 挿入してから射精まで2分以内であること
  2. 射精のコントロールができないこと
  3. パートナーが満足感を得られていないこと(相対的早漏)
  4. 人間関係の問題や精神的苦痛を引き起こしている状態

2)アメリカ「毎回、ほぼ毎回女性器への挿入後1分以内に射精または挿入前に射精してしまう」こと
3)WHO(世界保健機構)「両方のパートナーが性的関係を楽しむために十分な射精をコントロールできない」こと

日本やWHOの見解、また男性が5~9分で射精に至ること、女性が20分でオルガズムに至ることから多くのパートナー間で女性に性交の時間に対する不満があることがわかります。多くの男性が早漏、相対的早漏にあてはまるのですが、女性の多くは男性の尊厳、プライドを傷つけないように男性に不満をはっきり伝えないのでしょう

早漏治療は薬剤療法が主流

多くの方の早漏の原因が射精中枢におけるホルモンバランスの問題であるので、そのホルモンバランスを整える薬を服用することが治療の主流となりました。
ギガクリニックでは薬物による早漏治療を行っております。
早漏治療にはプリリジー、ポゼット(ダポキセチン)の服用が一般的な治療方法です。プリリジー、ポゼットの有効成分となる「ダポキセチン」には交感神経を鎮め、脳の興奮を抑えることにより射精時間を延ばす効果があります。
プリリジー、ポゼットは性行為の1時間前に服用するお薬で、一日に最大で90mgまで服用することが可能ですが、30mgでも十分な効果を実感できます。服用から約1時間程度で効果のピークを迎え、効果が3~5時間程度持続します。30mgの服用でおよそ2分程度射精時間を延ばすことができたとの報告があります。
また、服用に抵抗のある方や過敏性の早漏の場合は局部麻酔となるリドスプレーで治療いたします。
以前のように早漏の治療のために包茎治療を行うことは少なくなりましたが過敏性の早漏の方の一部には包茎手術が適応になることもあります。

薬物療法以前の早漏治療

1.リドスプレー

リドスプレーはリドカイン2%の麻酔薬です。感度が高い人向けで陰茎にスプレーすることで陰茎の感度が鈍化します。タボキセチン製剤と併用することができます。

2. パロキセチン

「パキシル」として抗不安薬として日本でも処方されていますが、副作用として女性器挿入から射精までの時間がやや延長することが知られています。さほどの効果はありません。

3.セマンズ法

セマンズ法はパートナーの手により陰茎を刺激させ、射精間近になったら、女性は刺激を止めて、射精感がなくなったら、再度、口腔や手で陰茎を刺激します。これを4~5回繰り返します。手の刺激になれたらローションを使いパートナーに刺激してもらいます。同様に繰り返し、我慢できるようになったら、今度はパートナーに騎乗位で挿入し女性が前後運動します。同様に4~5回繰り返します。刺激に慣れることにより早漏を改善させる方法です。

4.スクィーズ法

一人で行う場合はマスターベーションをし、射精直前に亀頭の先を押さえつけ射精を我慢します(マスターベーションを寸止め)。
パートナーとおこなう場合、手やオーラルセックスで同様にします。性交しながらの場合は通常の性交をおこない、射精寸前で我慢します。これを10回繰り返した後、今度は女性上位もしくは坐位でパートナーにペニスを刺激してもらい外陰部にこすりつけます(素股)。数回繰り返したのちは騎乗位で同様に繰り返し最後に射精します。(オーラスセックス→正常位→素股→騎乗位→射精)

5.包茎手術

感度高い過敏性早漏に有効と思われがちですが、統包茎手術を行っても早漏が改善されないことが報告されており、包茎手術が早漏を改善する医学的根拠はありません。包茎手術は整容のために行う手術です。

早漏Q&A

早漏かも?
基準は明確にはされていませんが、一般男性が挿入から射精までに約7分かかるのに対し、一部の方は挿入後2分以内に射精してしまいます。また、女性が満足する前に射精をしてしまうのも早漏症といえるでしょう。

早漏治療はすぐにできますか?
早漏治療は薬剤療法が主流のため、診察後お薬を処方します。診察時間は5分ほどで終わります。

早漏の原因は?
ほとんどの方は身体機能の問題ではなく、心因性が理由です。性行為の際に女性の方が性的満足を得るのが遅いため、男性側が自然に任せて射精した場合は早漏となってしまいます。また、性行為に不慣れな場合は、自分の性欲をうまくコントロールできないため、早漏になりやすいいわれており、若い男性は射精が早い傾向があります。

EDの症状と同じぐらいに早漏の症状も出てきたのは関係ありますか?
関係あります。EDの患者さまの1/3に早漏症が合併するという報告があり、合併してしまう原因としては、勃起を維持しにくいことが考えられているようです。EDの方は勃起を十分に維持できる時間が短いために、射精するために強めに刺激しようとする傾向があります。さらに、勃起自体を維持するためには強い刺激が必要であるため、結果として射精にかかる時間が短くなってしまうと考えられます。